建設省において、様々な河川プロジェクトに携わりました。その一部をご紹介いたします。こうした様々な経験を活かし、国土交通大臣や国土政務次官としての政務、COP10(生物多様性保全条約締約国会議)への参加といった環境保護の活動を現在も行っています。
●利根川渇水対策プロジェクト
1964年、東京の唯一の水源は小河内ダムのみで、記録的な渇水に襲われました。都内の渇水を解消するために、利根川を水源として利用するために尽力しました。
●渡良瀬遊水地開発計画
渡良瀬川下流部の洪水被害に対処するための計画でした。私が開発・設計を担当した越流堤により、大雨等で川の水が急に増えても下流に流れる量を少なくすることができました。そのために設けられた遊水池は3300ヘクタール(本州最大)に及び、豊かな生態系の保全から、世界的に注目されています。
●荒川改修計画
私が開発と設計を手がけた遊水池である「彩湖」は、オーストリアのウィーンで自ら調査してきたプラーター公園の手法を活かしました。荒川下流域の洪水を防ぎ、首都圏の水道用水を供給する貯水池として機能しています。これにより荒川の河川敷には豊かな生態系が保全されることになりました。また、彩湖湖畔にはレクリエーション施設が整備されて、人々の暮らしと自然環境が一体となる河川事業を実現しました。
●第3次全国総合開発計画
河川行政に“流域”という発想を初めて盛り込みました。山、河川、河口を個別の存在として考えるのではなく、全てを一つの流れで繋がるもの“流域”として考えるべきだと訴えました。自然と人との共生、自然保護にも繋がる、自然環境のサイクルを大きな目線で捉える考え方です。
